手術案内

下肢循環不全

こんな悩みはありませんか?

  • 足のむくみ、だるい、重い、こむら返り
  • ボコボコに浮き出ている血管
  • 少し歩いただけで足に痛みが生じ、ちょっと休むと歩けるが、また痛みがでる。
  • 足の冷感、しびれ
  • 足の皮膚の色の変化

もしかしたら、下肢循環不全が原因かもしれません。

考えられる病気としては、以下のものかも知れません…
当院ではいずれの疾患についても診療を行っています。

下肢循環不全には3の種類があります

静脈下肢静脈瘤、深部静脈血栓症
動脈下肢閉塞性動脈硬化症
リンパリンパ浮腫

疾患ごとの検査・治療方法

下肢静脈瘤とは?

下肢深部静脈血栓症ってどんな病気?

下肢静脈瘤は、足の静脈(下肢の静脈)にある血液の逆流を抑えるとびら(弁)が閉じなくなり、血液が溜まって血管がこぶ(瘤)のように腫れる病気です。大きな病気につながることはありませんので、過度に心配する必要はありませんが、一度できてしまうと自然に治ることはなく、徐々に悪化していきます。

当院では初めての方にも安心して治療を受けていただくために、初診から丁寧に時間をかけた診察を行っています。また、予防指導も行っていますので、足の諸症状にお悩みがありましたら、お気楽にご相談してください。

下肢静脈瘤はなぜおきるのか?

これは、表在静脈(大伏在静脈・小伏在静脈)から、心臓へ血液を送り返す深部静脈(大腿静脈・膝窩静脈)に流れ込むところにある逆流防止弁が、妊娠・出産、長時間の立ち仕事などにより破壊されることによって発生します。

逆流防止弁が壊れると、表在静脈から重力に逆らって血液を心臓に送り返すことができなくなり、下方に血液が貯まってしまいます。これにより静脈の内圧が高まって、静脈の拡張蛇行が起き、ぼこぼこした静脈瘤となり、さらに静脈うつ滞による症状が出現します。

検査

超音波検査(エコー)

脚に検査用ゲルを付け、プローブを皮膚の表面に当てます。プローブから発生する超音波の特徴を利用し、血管の状態、血流の流れ、血栓ができていないかなどを評価する検査です。

治療

弾性ストッキング治療

弾性ストッキングは弾力性を持った特殊な繊維で編み込んだストッキングです。これを着用して締めつけることにより下肢の静脈還流を改善します。足関節部の圧迫圧が最も高く、上に向かうほど圧力が弱くなる段階的圧迫圧の構造になっています。これによって足先から心臓への血液の戻りを助け、下肢静脈瘤のうっ血症状を改善します。

当院では、患者様の治療や生活に合う、高齢者の方々にも履きやすいストッキングをご用意しておりますので、お気軽にご相談してください。

手術治療

カテーテル治療

“体への負担が極めて少ない面期的な新しい治療法”

メスの代わりにカテーテルを使った体に負担の少ない治療、いわゆる「低侵襲治療」が増えてきており、“切らずに”“日帰り”で治療ができるようになっています。

当院では3つのカテーテル治療をとりそろえています。一人一人の状態に合わせた治療を行う事ができます。

当院で行われるカテーテル治療

※詳しくはリンクをクリック

下肢深部静脈血栓症ってどんな病気?

ケガをした時に出血しても、しばらくすると血は傷口で固まって、自然に止まります。通常、血液は血管の中では固まることなくさらさらと流れていますが、血管が傷ついたり、血液の流れが悪くなったり、血液自体が固まりやすくなったりすると、血管の中でも血栓ができることがあります。

治療

薬物治療

深部静脈血栓症の治療には、血液を固まりにくくする「抗凝固薬」が用いられます。以前まで主にワーファリンという薬が用いられていましたが、多数の問題点をかかえておりました。最近では新しいタイプのお薬が開発され、より効果的により安全に治療を受けて頂けるようになっています。

下肢深部静脈血栓症ってどんな病気?

閉塞性動脈硬化症(または、末梢動脈疾患)は「動脈硬化」と密接に関わっています。動脈硬化とは、血管の内側にコレステロールが沈着し、血管の内部が狭くなり血液の流れが悪くなった状態をいいます。

動脈硬化はそもそも血管の老化現象のことであり、誰でも年齢を重ねれば血管は脆くなっていきますが、糖尿病や高血圧、高脂血症などの生活習慣病がある場合、動脈硬化が通常より早く進行する危険性が高まります。その結果、主に足の先に十分な血液が届かなくなることでさまざまな血液不足の症状が出現するようになります。

大切なことは早期診断・早期治療であり、これらの症状を有する患者さんがいらっしゃった場合、まずは末梢動脈疾患を疑い適切な治療を行える環境を作ることが重要です。

検査

ABI検査(足関節上腕血圧比)

腕と足首の血圧を測定し、その比を調べます。正常の方は下肢の血圧は上肢に比べて高いのですが、下肢の血圧が下回る場合には末梢動脈疾患を疑います。

SPP検査(皮膚灌流圧測定)

皮膚の表皮レベルの血流状態を測定する検査で、ABI検査に比べより正確な評価が可能です。重症下肢虚血患者の重症度や治療効果判定を行ううえで重要となります。

超音波検査(エコー)

脚に検査用ゲルを付け、プローブを皮膚の表面に当てます。プローブから発生する超音波の特徴を利用し、血管の状態、血流の流れ、血栓ができていないかなどを評価する検査です。

治療

薬物療法

主には抗血小板剤やプロスタグランジン製剤を使用し、跛行や疼痛など虚血症状の改善を図ります。また高血圧や糖尿病などを認めている場合は、基礎疾患に対する内服治療も重要となります。内服療法は全ての患者さんに対し基本的な治療となりますが、実際のところ重症度の高い患者さんは薬物療法単独では効果を認めないこともしばしばあります。

リンパ浮腫ってどんな病気?

乳がん術後の手や腕のむくみ、子宮がんや卵巣がん術後の足や太もも・ふくらはぎのむくみなどでお困りになっていませんか?

こうした症状は、手術などの治療後すぐに生じる場合もあれば、10年以上過して出てくる場合もあります。
症状はゆっくりと進行することが多いので、適切な治療が行われず、浮腫は進行します。また、感染による炎症を繰り返すことによって、皮膚が固くなります。こうした症状が進行するほど、治療は難しくなってしまいます。できる限り発症を予防し、発症してしまったらすぐに悪化を防ぐことが重要です。

当院ではリンパ浮腫の検査から保存的治療や予防的治療まで受けて頂くことができます。お気軽にご相談ください。

検査

超音波検査(エコー)

脚に検査用ゲルを付け、プローブを皮膚の表面に当てます。プローブから発生する超音波の特徴を利用し、血管の状態、血流の流れ、血栓ができていないかなどを評価する検査です。

治療

弾性ストッキング治療

弾性ストッキングは弾力性を持った特殊な繊維で編み込んだストッキングです。これを着用して締めつけることにより下肢の静脈還流を改善します。足関節部の圧迫圧が最も高く、上に向かうほど圧力が弱くなる段階的圧迫圧の構造になっています。これによって足先から心臓への血液の戻りを助け、下肢静脈瘤のうっ血症状を改善します。

当院では、患者様の治療や生活に合う、高齢者の方々にも履きやすいストッキングをご用意しておりますので、お気軽にご相談してください。

下肢静脈瘤カテーテル手術

当院では下肢静脈瘤にお悩みの方々に安心して治療に向かえられるよう、専門医によって一人一人の状態に対応できる技術を揃っております。

手術名方法
血管内塞栓術接着剤で血管を閉塞
レーザー手術熱で変性し、閉塞
ラジオ波カテーテル熱で変性し、閉塞
抜去術摘出する
硬化療法極小血管を硬化剤で閉塞

血管を接着材でふさぐ「血管内塞栓術」

2019年12月から保険収載となり、下肢静脈瘤の最新治療となります。

“医療用の”瞬間接接着剤を用いて病的な血管を処理する治療のことになります。

管内塞栓術治療では、下肢静脈瘤の根本原因である壊れた大伏在静脈や小伏在静脈に、カテーテルを介して血管内を瞬時に閉塞させることで病的な逆流を消滅させます。

それにより血行が正常化して静脈瘤が消えていくのです。

従来の血管内焼灼術は、熱を発するので、TLA麻酔という液体を火傷防止に血管外に注入しますが、この最新治療では熱を発しないので、TLA麻酔も不要であり、また、熱による神経の損傷のリスクもありません。そのため最も低侵襲に受けて頂ける最新の手術治療となります。

血管内レーザー焼灼術

下肢静脈瘤に対する血管内(レーザー)焼灼術とは、異常をきたした静脈を血管内からレーザーで熱変性させる治療です。

先端からレーザー光を発するカテーテルを足首付近の静脈からメスで皮膚を切ることなく挿入します。

そして、逆流を起こした静脈をレーザー光が発する熱で変性、閉塞させます。

麻酔は局所麻酔で行うため、術後まもなく歩行できます。

血管内焼灼術の機材は、保険認可されており、手軽に治療を受けて頂く事ができます。

高周波アブレーション(ラジオ波)カテーテル

ラジオ波(高周波)とは医療分野で広く使われている電磁波の一種で10kHzから100GHzのものをラジオ波といいます。

手術方法は、レーザーを用いた下肢静脈瘤のカテーテル治療とほぼ同じで、レーザーの代わりにラジオ波(高周波)を用いて静脈壁を焼灼する方法です。

120℃の温度で静脈壁を焼灼することで、静脈壁のコラーゲン繊維が厚く熱変性します。

それにより繊維性閉塞が起きるという仕組みです。

下肢静脈瘤ストリッピング手術(抜去術)

下肢静脈瘤の根治的な治療法として古くから行われている手術です。

弁不全を起こしている静脈を体外へ取り出す方法です。

足の付け根や膝など皮膚を2~3cm程度切開し、弁不全を起こした表在(伏在)静脈の中に手術用ワイヤーを通して、この血管を引き抜きます。

再発率が低い治療方法です。

全身麻酔や下半身麻酔、局所麻酔(TLA麻酔)で行います。

この治療法はカテーテルによる静脈瘤の治療法では対応できない方などにも受けて頂くことができます。

硬化療法

硬化療法とは、硬化剤という薬剤で下肢静脈瘤を治療する方法です。

治療方法は、硬化剤(ポリドカノール)を静脈瘤内に注射した後、皮膚の上から圧迫し、血管の内側を接着させて患部の静脈を閉塞させます。

完全に閉塞した静脈は徐々に小さくなり、最後には組織に吸収されます。