糖尿病・甲状腺内科

糖尿病・甲状腺内科とは?

糖尿病をはじめ、ホルモンのバランスや体のエネルギーの利用に関わる様々な病気の診療を行うです。

症状

  • 疲れやすい、だるい
  • 体重が増減する
  • 寒がり、暑がり
  • 心拍数が多い
  • 手足がしびれる
  • 骨が折れやすい
  • 喉が渇きやすい
  • 頻尿

このような症状がある方は、一度受診することをおすすめします。

主な疾患

糖尿病は、インスリンが十分に働かないために、血液中を流れるブドウ糖という糖(血糖)が増えてしまう病気です。インスリンは膵臓から出るホルモンであり、血糖を一定の範囲におさめる働きを担っています。

血糖の濃度(血糖値)が何年間も高いままで放置されると、血管が傷つき、将来的に心臓病や、失明、腎不全、足の切断といった、より重い病気(糖尿病の慢性合併症)につながります。また、著しく高い血糖は、それだけで昏睡(こんすい)などをおこすことがあります。症状がなく糖尿病になっていることに気づいていない方が多くいます。糖尿病はかなりの血糖値が高くなければ症状が現れません。そのため定期的に血液検査をすることが大切です。また、妊娠中の血統コントロールもお腹の赤ちゃんにとっては重要となります。

副腎は腎臓の上に左右一対存在しており、腎臓との連続性はなく尿を作ることはありません。正常な副腎の大きさは数センチの扁平で円盤上や半月上の形をしています。内部の構造は皮質と髄質という2層の構造をしており、それぞれが別々のホルモンを分泌しています。副腎から過剰にホルモンが分泌されることにより病気が引き起こります。副腎の中の細胞の一部が勝手に増殖し腫瘍を形成した状態を副腎腫瘍と言います。正常でも副腎の中には役割の異なった多くの細胞がありますので、増殖した細胞の性質によって症状が異なってきます。そして過剰になるホルモンの種類によって症状や病態が異なるため、それぞれに病名がついており、全身倦怠感・食欲不振・脱力・体重減少・血圧が低い・高いなどの症状があります。

(主な疾患)原発性アルドステロン症・クッシング症候群・褐色細胞腫・副腎皮質機能低下症・アジソン病
(主な検査)血液検査・MRICT など

骨粗鬆症とは、骨の量が減って骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気です。

骨粗鬆症になっても、痛みはないのが普通です。転倒しやすくなったり、食欲減退、身長が低下するなどの症状もあります。転ぶなどのちょっとしたはずみで骨折しやすくなります。骨折が生じやすい部位は、せぼね、手首の骨、太ももの付け根の骨などです。

(主な検査)骨量測定・レントゲン検査・血液検査

肥満は脂肪が過剰に蓄積した状態のことです。大人ではBMIという値が25以上の場合に「肥満」と診断されます。BMIは体格指数ともいい、次の計算式で表されます。

  • BMI = 体重(kg) ÷ 身長(m) ÷ 身長(m)

肥満には、「皮下脂肪型肥満」と「内臓脂肪型肥満」の2種類があります。高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病を発症しやすいのは、内臓脂肪型肥満のほうです。皮下脂肪型肥満で問題になりやすいのは、睡眠時無呼吸症候群や関節痛、月経異常などです。どちらも肥満であることに変わりはありませんが、肥満の種類によって疾患を抱えるリスクが異なります。

成長ホルモンには、成長促進と代謝の調節という働きがあります。この成長ホルモンが過剰につくられたり、不足したりする状態を成長ホルモン異常といいます。成長ホルモンが不足すると、体の成長が遅れるだけでなく、肥満や筋力低下、代謝の異常などが生じる可能性があります。また、骨密度が低下し、骨折のリスクも増加します。過剰になると、巨大化症やアクロメガリーと呼ばれる状態を引き起こし、手足や顔の骨が異常に成長することがあります。これに伴い、高血圧や糖尿病、心血管疾患のリスクが高まることがあります。成長ホルモンは成長期にもっとも多く分泌され、成長期を過ぎると分泌量は低下しますが、筋肉量の保持や増加、精神的な健康維持に重要な役割を果たします。成長ホルモン異常による疾患として、成長ホルモン分泌不全症・下垂体性成長ホルモン分泌亢進症などがあります。

(主な検査)血液検査・尿検査・骨年齢検査(手のX線など)

甲状腺疾患

のど仏のすぐ下に位置する甲状腺。ここでつくられる「甲状腺ホルモン」は新陳代謝や身体の成長・発達、心身活動の調整などに関わり、不足するとだるさや冷え、過剰になると動悸や多汗など、さまざまな不調の原因に。

日本における甲状腺疾患の推計患者数は500万から700万とも言われ、高血圧や糖尿病に匹敵するいまや国民病の1つとなっています。

甲状腺疾患はホルモンの病気と甲状腺自体の病気と大きく2つに分かれます。 ホルモンが過剰にでるものはバセドウ病、プランマー病、甲状腺炎などがありますが、代表的なのはバセドウ病です。

逆にホルモン分泌がすくなくなるものは橋本病、シーハン症候群、クレチン症などがあり代表的なものは橋本病です。

バセドウ病や橋本病といった治療が必要な甲状腺疾患を抱える人は240万人と推測されていますが、実際治療を受けている人は約45万人に過ぎません。それだけ自分が甲状腺の病気だと気づいていない人が多いということです。 理由は、橋本病の場合、症状がだるさやむくみ、便秘など、いわゆる「なんとなく調子が悪い」という「不定愁訴」であることが多いから です。更年期障害や認知症、うつ病など、他の病気と間違えられることも珍しくありません。 バセドウ病は疲れやすく動悸やイライラ、不眠などの症状が現れますが、これも更年期障害や心臓疾患と勘違いされがちです。

どちらも血液検査でほぼ診断でき、治療は足りない甲状腺ホルモンをホルモン剤で補ったり、過剰なホルモン分泌を下げる薬剤を処方いたします。 また、甲状腺には良性と悪性がありますが、診察においてみつかるのは良性の場合がほとんどです。良性腫瘍の場合、大きさが小さければ 手術などの外科治療の必要はなく経過観察を行います。とはいえ、中には悪性である場合もあるため、当院ではこれを判断するために細胞診を実施しています。 細胞診で悪性となった場合は手術が必要になります。甲状腺疾患は女性に多いものの、男性にも珍しくありません。

いつもだるい、寒さや暑さを異常に感じる、イライラする···といった症状を感じた場合は、まず一度甲状腺疾患を疑ってみてください。

甲状腺機能亢進症(バセドウ病)

甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、全身の代謝が高まる症状です。

主な症状イライラする、疲れやすい、胸がドキドキする、手が震える、きちんと食事をしているのに体重が減っていく、便通がゆるくなる、甲状腺が腫れて大きくなる、眼球が突き出してくる、ものが二重に見えるなど見え方がおかしい。
検査方法血液検査にてTSH(甲状腺刺激ホルモン)、フリーT4(サイロキシン)、フリーT3(トリヨードサイロニン)の3項目を測定し、ホルモンの状況を確認します。バセドウ病の場合、甲状腺を異物とみなして増えたTSHレセプター抗体を測定することで90%以上が診断可能です。
治療方法症状に応じて以下のいずれかの治療方法がありますが、日本ではほとんどが薬物治療で占められています。(1)薬物治療 (2)放射性ヨウ素治療 (3)手術

甲状腺機能低下症(橋本病)

甲状腺ホルモンの分泌が低下し、全身の代謝が落ちる病状です。

主な症状疲れやすい、やる気が起こらない、皮膚が乾燥する、髪の毛が抜ける、顔や手足がむくむ、便秘がち。
検査方法血液検査にてTSH(甲状腺刺激ホルモン)、フリーT4(サイロキシン)、フリーT3(トリヨードサイロニン)の3項目を測定し、サイログロブリン抗体、甲状腺ペルオキシダーゼ抗体という甲状腺組織に対する自己抗体からホルモンの状態を確認します。
治療方法甲状腺機能が低下していれば、甲状腺ホルモン剤で補充治療を行います。

甲状腺腫瘍

甲状腺に生じる「しこり」や「できもの」をさします。

主な症状ご自身で触ってわかるような「首のしこり」が代表的な症状で、頸動脈エコー検査などで発見されることもあります。まれにこれが原因で声がかすれたり、急激にしこりが大きくなることもあります。
検査方法血液検査にてTSH(甲状腺刺激ホルモン)、フリーT4(サイロキシン)、フリーT3(トリヨードサイロニン)の3項目を測定し、ホルモンの状況を確認します。サイログロブリン(糖蛋白)やサイログロブリン抗体、カルシトニンなどを測り良悪の判断に役立てます。
治療方法良性であれば経過観察となります。悪性腫瘍のうち、最も頻度の多い乳頭がんは甲状腺の切開手術を行うことで比較的治りやすいものです。悪性リンパ腫の場合は抗がん剤による薬物(化学)療法や放射線治療を行います。非常に悪性度の高い「未分化がん」は手術だけではなく化学療法や放射線治療などを試みます。

甲状腺ホルモンに異常があると現れる症状をチェック!

甲状腺機能亢進で現れる症状(甲状腺ホルモンが多いとき)

□ 疲れやすく、だるさがある
□ 汗を異常にかく
□ 暑がりである
□ 脈拍が高く、動悸がする
□ 甲状腺が腫れている
□ 食欲が旺盛である
□ イライラする
□ かゆみがある
□ 口が渇く
□ 眠れない
□ 微熱が続く
□ 息切れがする
□ 髪の毛がよく抜ける
□ 排便の回数が増えた
□ 眼球が出てくる

甲状腺機能低下で現れる症状(甲状腺ホルモンが少ない時)

□ 疲れやすく、だるさがある
□ 汗が少ない
□ 寒がりである
□ 脈拍数が少ない
□ 顔や全身がむくむ
□ 甲状腺が腫れている
□ 体重が増えた
□ 気力が無い
□ 皮膚が乾燥する
□ 声が枯れる
□ いつも眠い
□ もの忘れが多い
□ 動作が鈍くなった
□ 髪の毛がよく抜ける
□ 便秘
□ 筋力が低下している

4つ以上あてはまるものがあれば一度血液検査を受けることをおすすめします。
チェックシート以外の項目でも「いつもと違う」「体調がおかしいな」と感じたら、お気軽にご来院、ご相談ください。

診察内容

不調の種類を伺い、目視または触診で診察した上で血液検査を行います。
ホルモン異常値が発見された場合には適切な治療方針を定め、内服薬に加えて食生活や運動など生活面をアドバイス。
またしこりのある場合は細胞診を行い、手術等が必要な際には信頼できる病院をご紹介します。

  1. 問診
  2. 診察
  3. 血液検査(ホルモン検査・抗体検査)
  4. エコー検査
  5. 穿刺吸引細胞診

診察の特徴(方針)

甲状腺疾患は時に疲れやすい、便秘気味、むくみなど不定愁訴(ふていしゅうそ)に似ています。
そのため非常に見過ごされやすいのですが、常に疑いの目で見るようにしています。
また一度罹ると長いつきあいになり、継続的な治療が必要となりますが、お1人おひとりの将来を見据え、症状に対して最善の治療方法を提供し、早期改善に導きます。

対象疾患

  • 橋本病
  • バセドウ病
  • 甲状腺疾患
  • 甲状腺癌術後
  • アイソトープ治療後